歴史の海と食べ歩き。
連休だと云うのに、ちょっとした用事の為、又、品川駅から博多行きに乗りました。
広島下車で、行き先は海軍の街、呉。
我が家から片道、約5時間近く車内で過ごすのは退屈そのもの。
空から行けば、5分の1に短縮出来るのですが
車内滞在が長時間だと、いい加減うんざりします。
車中をいかに快適に過ごすには、どうしたら良いか・・
それは簡単、単純に昼寝の時間だと思って寝ていれば良いのです。
移動時間は有効に使いましょう。
さて、予約済みの呉駅前、「呉阪急ホテル」
やっと辿り着いたのは、夜の8時を過ぎていました。
入り口ラウンジ、お手入れの良いシャンデリアがお出迎え。
エレベーター横には、呉のシンボル「戦艦大和」が。
お部屋も外人向けに天井が高く、落ち着いた雰囲気。
やはり海軍の街、夏場になれば日本の水兵さんが何気なくかっ歩していても
不思議と違和感を感じない街です。
季節によってはU.Sネイビーの女性兵の団体なども時々見掛けます。
2006年から、米国には女性士官が存在するほど進んでいるネイビー。
彼女達からは、与えられた任務をしっかり果たす責任感の強さを感じます。
阪急ホテルに泊まる米海軍関係の方々は
皆さん静かで、お行儀が良い若人達が多い。しっかり躾けされている方々ばかり。
沖縄でも、こんなに礼儀正しい軍人ばかりであれば、問題は起きないのでしょうが
おっと失礼、沖縄にだって、真面目な米軍人さんはいるはず、しかし
時折の事件などが、やはり住民達の心を傷付けているのは事実。
基地の街には、目に見えない悩みや葛藤が有るんですね。
一見してですが、呉の街は沖縄の様に米軍人のはびこる繁華街などは見当らないし
はっきり言えば、場所によってはサビれているし
日中でもお年寄りが多い。のんびりした街。しかし
今でこそ、平和な街ですが今だに戦争をしているとの事で・・何かと思ったら
京都と呉市のどちらが「肉じゃが」の発祥地か揉めているのだとか。
受付の詳しいコンセルジュさん曰く、京都の舞鶴市が敵陣だそうで
本来は、日本海軍司令官であった東郷平八郎が英国から帰国の際に
あちらで食べたビーフシチューが忘れられず、呉で作らせたのが発祥だとかで
当時は食材のバターや牛肉、それに良い赤ワインも手に入らず
じゃがいもを醤油と砂糖で味付けして食べたのが、絶対に最初だったと
この、「そんな事どうでも良いじゃない的・肉じゃが戦争」が勃発したのだとか。
今やロシアがクロアチアだかを侵略するのしないのと切実な問題が発しているのに・・
まあ、平和で結構な事だと苦笑してしまいました。
駅前にある船の実物大スクリュー。
他には駅の近くに、「大和ミュージアム」が在り
戦時中に撃沈された日本海軍の誇る「戦艦大和」の模型が展示してありました。
模型と云っても、かなりの大きさ実物の10分の1。幅26.3m。
細かいところまで、しっかりと造ってあります。
この街には隠れた見所もあって、たとえば「呉美術館」や「海上自衛隊史料館」やら
陸上に展示の潜水艦。大き過ぎて画面からはみ出しそうです。
一応、呉市は我が国の海軍機密基地の為、基地の方の広い敷地内は入場禁止。
戦艦大和を造船した場所。現在であったら赤外線で真上からはお見通しですが
ここに隠れて造っていたのですね。
瀬戸の海、以前は遠方に潜水艦が一隻二隻と水面上に顔を出していて
じっと目を凝らせていると、微妙な移動が目撃出来るそうです。
音戸の方まで足を伸ばせば、平清盛の「清盛塚」も在り
塚の在る鰯浜には昭和時代の面影が残る家々が、軒を連ねております。
日本の歴史に興味のある方々には、十二分に堪能出来る場所が多く存在していました。
しかし、今回はただ2泊の予定。用事が済んで(ちょっと見)だけの滞在時間。
お茶の時間には、健康的に黒ゴマムース。
次回は「呉美術館」前の赤茶けたレンガ通りを、ゆっくり散歩してみたいと願いながら
新幹線に飛び乗って我が街コンクリートジャングルへ。
瀬戸内海の幸をいただきに、いつかまた、まいります。
車窓から西日が射す頃になると、我が生まれ故郷、東京ジャングルへ到着。
高層ビル群を目にすると、何となくホっとする瞬間です。
少々空腹なので久しぶりに「サバティーニ」大丸店へ寄り道しました。
ここの焼きたてライ麦パンは、オリーブオイルに浸けてガブリといきます。
この日はコースを選択、パスタ、お魚、お肉、サラダと欲張ってしまいました。
ペペロンチーノの辛さが程好くて、ガーリックの風味が効いてます。
旬のお野菜ぜんまいの苦さが、オリーブの実とマッチしてシャキシャキとした歯応え。
バレンシア産のブラッドオレンジジュースも、何処より新鮮。
一皿々が、少なめで恐縮そうな盛り付けが、益々食欲を誘います。
帰りには、いつもお土産にイタリー産クッキーを、頂きます。
遠慮しても、「美味しいですよ、どーぞどーぞ」と
日本語ぺらりのイタリアン店長さんに持たされ、満腹で帰路につきました。
この日も、帰りは夜遅く
殆ど車内で過ごしたお休みの日々、振り返れば
結局、好物の食べ歩きで幕を閉じたこの3日間。
靖国神社の桜が咲いて、今度はお花見シーズン到来でも
やはり私は、美味しい物を求めてさまよう
「花より団子」族で決まりなのだ、と実感しました。
ではまたね。