失望の北国
しばらくブログしない間に、もう過去の出来事になってしまいました。
雪の降る前日でしたか
私用とちょっとしたjobで、今年2度目の新大阪駅へ到着。
日航ホテルが2晩と、今回初めてウェスティン・ホテルへ泊まってみました。
で、The・Westinの方は、ちょっと大きめなビジネス向け、と云った感じで
フロントラウンジにある年代物のワーキングテーブルと
やはり大阪らしい、アニマル柄のこってり系の椅子が目を引いていました。
それよりも目立っていたのは、ラウンジの和風金びょうぶ画で
この壁飾りが唯一このホテルを、彩っている感じでした。
もう一つ気になった物と云えば、部屋のバスルームが
NV州のベラージオと同じタイプの、独立シャワーブースである事。
こう云う所が、いかにも米国人が好みそうな
アメリカ系のホテルだな、と実感。
しかしここは、1930年の創立だからベラージオよりもっと古い歴史が有るので
だったらベラージオの様に、もう少し美味しい朝食をお願いしたいと思いました。
やはり、日航ホテルの方が、空の便の需要が減らぬように
地上の食事面も、充実させていると感じました。
ですので、ウェスティンのマイナス面は
朝食のビュフェが、余りにも種類が少なく、野菜や果物などは
もしかして農薬付き中国産の疑惑も浮上するほどでしたが
外食ともなれば、よっぽどのこだわり専門店に行かない限り
中国産やら添加物は覚悟の上。
とにかく、美味しいとはお世辞にも言えなかった事と
駅から徒歩7分のフレコミですが、私の足では10分以上だと判断し
今後の定宿候補には、入らない見込みと判断しました。
しかし、22Fの部屋から見る関西の町並みは、なかなかなもので
駅前の広い敷地は、緑豊かな公園になると言う噂。
そしてお隣のタワービルは、さしずめ円形ルーフが近未来の宇宙タワーを
連想させました。しかし
大阪の財政力指数は、かなり落ち込んでいるのに、
(ちなみに平成20年頃は0.83~)
26年に入ってからが、どうなる事やら・・
なのに、こんなタワーをどんどん建てて破綻するんじゃないの?
と余計な心配をしながら
雪の前日は、青空がのぞいていて
好奇心で早速、夕食をいただきにタワー39Fへ。お食事も終わり、部屋へ戻り
TVをONにしてからが、今回のお話のメインなのです。
「えっ、嘘でしょ?そんな・・」とその瞬間、ニュースに釘付けになったのです。
もう耳を疑い、かなりのショックでした。
動物園のキリン(それも生後1年半のキリンの子)をピストルで撃って解体し
それをライオンの餌にしたと言うニュース。
この出来事ってもう全世界の方が知っているとは思うのですが
先日、心安らぐ映画紹介でブログした国デンマークでの事なので、
何だか裏切られた様で、かなりの失望を感じたのです。
あのボーデルセンやアンデルセン
「ハイジ」の作家スピリだとかの欧州メルヘン作家の国々の一つですよ。
海辺には「人魚姫」の銅像だって在る子供達の童話の国なのに
どうしてそんなひどい事を。
しばらく、画面を直視していましたら、それ以上の衝撃が・・
キリンの解体を子供たちに見学させたと云うのです。
この事態を聞いて「良かったね」と言う人がいるでしょうか?
「良かった」なんて言うのは、鮮度抜群のキリンの子を食べたライオンだけでしょうね。
マグロの解体ショーじゃあるまいし、いったいデンマークのZOOは
何を考えているのでしょう。言い訳は「キリンが増え過ぎて近親交配になると予測し、
それを避ける為に間引いた。」との事で
だったら、他の国のキリンの少ないZOOにでも、養子に出してあげる提案とかが
なかったのでしょうか。
キリンの坊やか、お嬢ちゃんか知りませんが
「かわいそう」とか思わないんでしょうかね、この国は。
B・Bこと動物愛護&保護活動家のブリジット・バルドーが聞いたら
(もう、とっくに耳に入っていると思いますが)
完全にプッツンと切れている、と想像致します。
この惨劇は全世界に広まり、今やデンマークのZOOは非難の的に。
私だって、今までのデンマークへの良いイメージが、ガタ落ちし
それ以上に、失望をしたのです。
今までヤリ玉に挙げられていた我が国のイルカ猟よりも
残酷な事ではないでしょうか。
今回はデンマークの小さなZOOの中での出来事で
NGOグリーンピースなんかは、「環境問題」が入って無い限り
この「キリンキラー」に対しては動く事は無いでしょうね。
しかれば、せめて動物が増える前に、くい止める措置をするとか
さもなければ、動物愛護・保護協会に目を光らせて頂くとか、願いたいものです。
キリンの長い首を輪切りにするのを、(動物の体のしくみの観察)が目的とかで
子供達に公開するのは、残酷過ぎると思いましたが
私の考えが古いのか、北欧の動物に対する考え方がクールなのか
当たり前なのか分かりません。
ベルギーでは人間の子供の安楽死を承認するとか議会で、もめているし
オランダ、スイスでは大人の安楽死団体が、とっくに承認されているし
そう考えれば、欧州には動物の命なんて、大した事ないんでしょうね。
久しぶりに関西風の薄味和食を味わって来ましたのに
このニュースを聞いた後は気分が悪く、余り熟睡出来なくて
輸入して置いたメラトニン10mgを、普通は一錠飲むのですが、
半錠追加して眠りました。
今後は「やっぱり優しくて好い国」と思える様な
平和なニュースを提供して頂きたいと思いつつ
ウェスティンホテルには多少、失望し
その数倍も、この北欧の国に失望して
溶け始めた雪の中
帰りの700系に乗ったのでした。
ではまたね。
北欧の逸品
映画三昧の日々が段々と定着して参りましたこの頃です。
今回は2度目の鑑賞で、改めて名作である事を再認識しました
派手なアクションも、きらびやかな映像も出てきません。
大変地味な作品ですので1987年の公開当時は余り注目されず
むしろ「老人ホーム」ムービーだ。などと言う批評もありましたが
誰でも癒される逸品であり
その年のアカデミ-賞最優秀外国語映画賞
1989年度には英国映画TV芸術アカデミー賞
その他、多数の賞を受賞しました。
監督と脚本は共にガブリエル・アクセルが担当しております。
さて、私が映画の中で一番好きな場面が有りますが
それは、(人が幸せそうに食事をしている場面)で
正にこのストーリーは、その意図の通り進行するのです。
舞台は北欧のかなり貧しいユトランド半島の漁村。
北側はデンマーク領ですので、極、寒い地方だと推測致します。
戦いが多く勃発していた19世紀のフランス革命直後でしょうか。
いわゆる「ゆりかごから、墓場まで」と云う
社会福祉政策が充実している現在とは、程遠い
北欧庶民がまだ貧しく質素な毎日をおくっていた
現代の発展などは、全く想像がつかない頃の設定です。
この作品が語ってくれるのは、
静かに淡々と過ぎて行く時の流れ。
その中で
人生において、何が大切なのか。
ほんの小さな喜びや時間を、分かち合える人々の
安らぎと友情を描いております。
ユトランド半島の海岸。とある寒村。
住民達は皆、純粋でいがみ合いも無く、互いに助け合い
神につかえている純なプロテスタント信者達。
来客も無く、ただ時が経って行く。淋しい漁村。
そこにバベットと云う
フランスから亡命した中年のご婦人が命からがら、海を渡ってまいります。
子供も夫も処刑され、心に傷を負っております。処刑されるなんて
多分、フランス皇帝に近い身分の方だったのでしょう。
バベットは村の美しい二人の姉妹に助けられ介抱され
永年にわたり生活を共に致します。
この姉妹の父親は牧師様で、姉妹は父親を助け
自らの人生を父親と信仰と共に生き、清い心の持ち主でした。
時は経ち、当然のごとく皆老いて行き、姉妹の父親も他界するのです。
さて、バベットはフランスとの縁を切ったものの
祖国で買って置いた「宝くじ」だけが、自分とフランスをつないでいる。
と姉妹に打ち明けます。
ここで、脚本が二手に分かれれば、サスペンスの基本が形成されるのだが
サスペンス系から180度方向転換すると
ハートウォーミングなストーリー展開になる訳です。
例えば、宝くじが当選し多額のお金を巡って事件が起きる。
となると当然サスペンスに。
しかし、ここでは後者の方で、心温まる後味の良いストーリーに構成されているのです。
命からがらフランスから逃げて来たバベットは、自分を助けてくれた姉妹に
感謝の意を示すのです。
それは
運良く当選した「宝くじ」の全額1万フランを使い、姉妹の今は亡き父の為に晩餐会
(日本で云えば法事の様な集会なのだと思います)を開くと云う提案でした。
晩餐会には、ある高齢の将軍が招かれるのです。
何十年も前に、この美しき姉妹と出会い、魅せられたが
保守的なこの時代での事、無理が生じ
自分も出世の為に、貴族の令嬢のもとへ走った青年でした。
彼は今や全てを手に入れ、将軍となり出世しましたが
姉妹の事は忘れずにいたのです。
お互いに年老いておりますが、再会し心弾ませるのでした。
これもバベットの演出であったのです。
晩餐会は姉妹の質素なお部屋で、狭いながらも和気藹々と進みます。
神に仕えて来た村人達は、シャンパンなんてもちろんの事
ワインの味すら知りません。
先ずは食前酒が出され
「これはアモンティラードではないか!しかも、これほどの物は初めてだ!」
美食家の将軍は最高級の味に驚きます。
そして、この後は(舌を噛みそうな名の料理)が、次から次へと出て来るのです。
海亀のスープ。
村人達には初めての味。
何て美味しいんだろう。と感激致します。
テーブルマナーを知らない村人達は、揃って将軍の
一挙手一投足を見つめ真似をするのです。
将軍のマナーを見つめる村人達
ここが、かわいい
次はキャビアのオードブルに将軍は驚きます。
「これは、ブリニのデミドフ風だ」
そして、シャンパンにうっとりし
「これは1860年物のヴーヴ・クリコだ」
フランス国内でも高価な物で、なかなか手に入らない物だと感激し
メインのウズラの料理が出ますと、将軍はその味を絶賛するのです。
厨房では、ひとつも手を抜かず、汗だくになって丁寧にお料理を仕上げていく
バベットがいます。
ワインもミネラルウォーターも食材も全て
(生きている海亀だって)
バベットはフランスから運んで来たのです。
私はどの国の方でも、美味しい物を頂いているお顔を見るのが大好きなので
この映画の食卓シーンが一番好きなのです。
この笑顔
おばあさんも
おじいさんも
偉い将軍さんも
お手伝いに来た村の少年も
厨房でおすそ分けをもらい、幸せを感じます。
そして食後酒の「フィーヌ・シャンパーニュ」で晩餐会は終了するのでした。
村人達とは違い、美味しい物を知り尽くしている美食家の将軍は言うのです。
「昔、パリに(カフェ・アングレ)と云う最高級のレストランが在った。
そこでは女性の天才料理長が、自分で創作した
フランスで最高のウズラの料理を作っていた。
それは、ペリグディーヌで、もう二度と食べられないと思ったが
今日ここで食べる事が出来て、幸せである。」と言い残したのです。
ペリグディーヌ
(ウズラ肉にフォアグラとトリュフの薄切りを入れて
パイに乗せオーブンで焼いたお料理)
私にはコレステロールが心配なお料理です。
村人達は、初めてのご馳走に酔いしれ
輪を作って歌い、食べられる幸せを
神に感謝するのでした。
将軍も村人達も、それぞれが満ち足りて帰って行くと
姉妹は深い感謝を込めて、バベットを抱擁するのです。
そしてバベットは打ち明けます。
「私は(カフェ・アングレ)の料理長だったのです。
宝くじの当選金は、全てこの晩餐会で使い果たしました。
お世話になった皆さんに食べてもらいたかったのです。
これからも、皆さんと一緒にこの村で暮らします。」と。
姉妹とバベットは、また厚い友情で結ばれていくのです。
バベットを演じたフランスの女優ステファーヌ・オードランは
家族を処刑された悲しみの心情を、上手く演じております。
この映画が何故、心に残って離れないかと言えば
食べている人々の幸福感が伝わって来るからなのです。
美味しい物を皆で分かち合えばイザコザも
何となく上手く行くようになる。
空腹であれば、誰でもギスギスした気持ちになりますね。
食す事とは、幸せになる事。
どんなに下手であっても
バベットの様に心を込めれば、美味しいお料理が
必ず出来るはず。
2月に入り、雪もチラつく昨今
知らずと心も冷えて
そろそろストレスも溜まってくる頃ですが
「北欧の逸品」である
この「バベットの晩餐会」を観ると
少しばかりですが
心の安らぎを得る事が、出来るかも知れません。
ではまたね。
豹柄の惑星人
我が居住地から約500km離れた街の強烈キャラを持つ(おばちゃ魔)のお話。
いつもの東京駅から新幹線でウトウトしていれば、すぐ着く新大阪駅。
ここまでは順調なのです。しかし、いざこの町へくり出すと
びびってしまうのです。
旅が好きなので結構あちこち行ってます。
各国でかなりユニークな人達にお会いしまして
覚悟は出来ておりますが・・
これほど強烈に接する(おばちゃ魔)達は居ませんでした。
なぜ、大阪で3回もド突かれたのでしょうか。
年に何度か用事で関西方面へ出掛けます。
特に、旅慣れてしまうと、旅先で調達出来る薬などは
到着してから買ったり致します。
駅地下の薬局で、多めに買い物してレジしてもらっていたら、後ろから大きなお声で
「まだかいなー、前の人は買いすぎや~なんであんなん買うんや~」とかなんとか
凄い関西方面のお言葉で、見知らぬおばさんに怒鳴られてしまい
何だか凄い所に来てしまった・・
と云う思いがしたのです。
どれだけ買おうと、文句を言われるなんてショックです。
レジが済んで帰ろうとしたら
後ろに並んでいた俗に言うこの(大阪のおばちゃん)が
吊り上がった豹の様な目で、凝視しておりました。
もう目を合わせない様に下向きで恐る恐る歩こうと致しました。
そうしましたら
一発すれ違いざまに私の肩をドーンと突いたのです。
先ず、これが1回目のド突かれ体験。
2回目は、心斎橋日航ホテルの登りエスカレーターが現場。
ここは、地下に「美々卯」と云う美味しい「うどん屋さん」が在るので
お食事が終わり部屋に戻ろうと、エスカレーターに。
ここまでは順調でしたが・・
いつものクセで、つい左側に立ってしまったのが運のツキ。
今度も後ろから、(大阪のおばちゃん)のガラ声が聞こえたのです。
で、その人は横を通り過ぎる時に、
「ここは東京と違うねんで~こっち側に立つんよ~何してんの~
良く覚えときー!!!」
と捨てセリフで怒鳴られ、私の肩をド突き
横を通過して上がって行きました。これで2回目。
現場検証
2回目のド突かれ現場。
3回目は、もっと静かな駅から離れたリーガ・ロイヤルホテルなら安心と思い 部屋が取れたので、泊まりました。
ここは、独自で作っているパンが美味しいので1Fのベーカリーで
小腹が空いたら頂こうと、ミルクとサンドイッチとサラダを買おうと
レジに並んでいました。
ロイヤルのパン屋さん「メリッサ」
しかしここでも悪夢が・・
順番に並んでいるのに、後ろの(大阪のおばちゃん)が
私をド突いて、先にレジの前に立ってしまわれたのです。
それも、一言も言わず、当たり前のお顔をなさってなのです。
周囲にいた方々も、皆さん特に何事も起こった様子も無くしているんです。
こんな事って有るのでしょうか?いや・・現実に有るんですね。
この大阪と云う街では、割り込みってマナー違反では無いんですね。
当たり前の事なんでしょうか。
多分、この(大阪のおばちゃん軍)に逆らうと、事が重大な結果になるのを
大阪の皆さんはご存知なのだ、と私なりに解釈したのです。
レジの人も平然と、この(割り込み犯・大阪のおばちゃん)に注意する気配もなく
容認して、どんどんレジをしてしまうのですね。
私などが、この(大阪のおばちゃん軍)に逆らったりしたら
強烈な関西の言葉攻撃にノックアウトされるのがオチだと思い
ただただ、しょんぼりしておりました。
静かで落ち着いた雰囲気の、このロイヤルホテルでさえも
(大阪のおばちゃん)は、はびこって居るのですね。
と云う事は
街に出ればアメーバーの様にウジャウジャと、この(大阪のおばちゃん)は増殖し
かなりな数が存在すると云う結論に達し
そうなれば
もう(大阪のおばちゃん)の行動は干渉せず、お好きな様にやらせて置きましょう。
この方々は、別の星から来た何処かの惑星人だと思えば良いのではないでしょうか。
腹が立っていましたが、陰険に影でコソコソ言うより大胆に行動で示す
(大阪のおばちゃん)って何だか面白過ぎると言うか
憎めない存在になって参りました。
過去にさかのぼれば、クリントン大統領の来日の際
ホワイトハウス内でのLove Affairを指摘した質問を
全世界のメディアが注目する中で、堂々と聞いたのも
この(大阪のおばちゃん)だったと記憶しております。
「ヒラリーとはちゃんと話し合いがついてます。」とクリントンに言わしめた 凄腕パワフルな(大阪のおばちゃん)
相手が大国の大統領でさえもタジタジにするこのパワー。
世界中にこの映像が発信されても、ビクともしない精神力。
考えてみれば、世界でも、まれに見る貴重な存在の惑星人。
街中で自分の意見を大声で主張できる超強力個性の女性軍。
(大阪のおばちゃん)
今度は、どのお店でド突かれるのか
期待と困惑が頭の中を駆け巡り
いやはや、やっぱりド突きは禁物ですが
この街の方々は、まさしく聞きしに勝る「せっかち」である。
と云う最終結論に達したのでした。
ではまたね。
ロシアのS・ホームズ
お気に入りのTVチャンネル(AXNミステリーch)
この1月はサー・アーサー・コナン・ドイルがS・ホームズを世に出した月だとかで つまり探偵ホームズの誕生と云う訳で
新年に先駆けロシア版の「シャーロックとワトソン」を放映していた。
シャーロックの生みの親ドイルは、これほど人気を得るとは思いもしなかった。
とは有名な話で
むしろ、「シャーロックを書くのは、おっくうだった」と
ロンドンの(シャーロック・ホームズ協会)でも知る人ぞ知っている訳だ。
しかし、この探偵小説は作者の思惑を無視し
世界中にS・ホームズの名を知らしめてしまった。
日本国内でも(日本S・ホームズクラブ)などが有るほど
つまり、どんな難事件でも解決してしまう、こんな人物を大衆は必要としている訳だ。
しかしドイルは早くシャーロックの執筆を止めたいが為、
シャーロックを宿敵モリアーティー教授と共に滝壺に落とし
この世を去る展開にしてしまった。
これを読んだ読者ファンの余りに強烈な要望から
生きて再登場するストーリーへ変えている。
幼い頃に、誰でも一度は読んだ事があるこの英国ミステリーだが
作者ドイルが、自分で生み出したホームズを嫌っていたとは悲しい。
元々、ドイルは恐竜の出てくる様なアドベンチャーな小説を好んで書いていたし、
まあ、最終的には読者が満足する様、ホームズは探偵業を引退し
穏やかな老後を過ごす様にストーリーを方向転換した訳だ。
ドイルがサーの称号を得たのも、この探偵シリーズの人気の為では無く
別物「南アフリカの戦争」についての執筆によるもので、納得がいく。
これぞ英国グラナダTV版シャーロック
さて、ホームズと云えばこの英国俳優
故ジェレミー・ブレットの顔が直ぐ浮かぶ位、定着していたが
今回初めてロシア版を観ました。
このロシア版では原作に忠実なのには、驚かされます。
ホームズの住居があるベイカー街221Bの街並みや、当時の服装
それにホームズの部屋の散らかし具合など、全てが原作通りである事。
以前20代の後半だったか、北極回りのアンカレッジ経由で
このベイカー街を訪れた事があった。
ミステリー、映画ファンの私 思いたったら直ぐ行くのだ。
この221Bのアパートは文字通り保存されていて博物館になっていた。
博物館とは云っても、極、狭い部屋でホームズが生活していた通り 雑然とした雰囲気を残していて
ミステリー本の好きな旅人たちが部屋中にあふれていた。
こんなに雑然とホームズの私物を置きっぱなしで
マニアックな方は持って行ってしまうんじゃないかしら・・しかし
そこは、ホームズファン。紳士淑女な方達でコナン・ドイル氏の名作を
傷つける様な真似は致しません。静かにストーリーを思いだし
考え深げでありました。
当時は「ホームズゆかりの地」を訪れるミステリーツアーなんかが有ったのですが
今はどうなんでしょうか。
さてロシア版のシャーロックなのだが、これがまた素晴らしく、まるで
「本家英国で撮影したのか」と錯覚するほどの出来栄えなのだ。
1979~1986年までソ連のレニングラード(サンクト・ペテルブルグ)での撮影
19世紀末のヴィクトリア朝時代の街並み、服装全てを再現している
ルノアールの絵の様な当時流行のドレス。
さすが国営テレビの技。
19世紀の末と云えば、日本では大日本帝国憲法が発布されたり
なんとこの頃、やっと市町村制になった時代。
パリではエッフェル塔が出来たり
ブラジルでは共和政治になったりの時代。
この頃の世界の縮図は、これ位しか知らないが
こんな時代を、もろともせず再現している。
この頃のイギリスはと云えば、生産々で品物の原料を得る為
世界を、特にアジアなんかを植民地化する策略も見え隠れして来た時代だし
それを物語っている場面が、豊富に出て来る。
例えば、相棒のDr.ワトソンが東方帰りの軍医と云う事で
アジアで仕留めた猛獣のはく製を飾る場面などがあったりする。
つまりワトソン氏は復員兵であると云う設定。
「君は東方の戦争に従事していたね。」などと
ホームズは初対面でワトソンの仕事を言い当てたりする。
馬車が自動車に変わり、手紙や電報が電話機へと変化し
街のガス灯が電灯へと変わり行く19世紀末
面白いのが、文化の変化を物語っているこの場面。
シャーロックが同居の友人Dr.ワトソンに、電話機の使い方を伝授されている光景。
「もう、電報の時代じゃないよ、電話はこうして使うのさ。」
なんて教わるシャーロックが、何とも無邪気で可愛い。
「うんうん、聞こえるな・・」
「・・だろう」
このロシア版シャーロックを演じているワシーリー・リヴァーノフと云う方だが
正統派ホームズで、ダミ声と背丈と鼻の形以外は、ほぼパーフェクトホームズに近い。
エリザベス女王や英国国民も大好きだったという事で
なんとリヴァーノフは本家英国より「大英帝国名誉勲章」を授与された。
エリザベス女王もお気に入りであったと云うこの「ロシア版」
Dr.ワトソン役のヴィターリー・ソローミン、
221Bの大家さんハドソン夫人役のリナ・ゼリョーナヤなど
皆、適役を得て画面はやや暗いが、世紀末らしいセピア色の映像。
音楽も重厚でかつ、心に残るオーケストラのサウンド。
古い蓄音機も健在。
ここから聞こえる様にしてある。
ロンドンの博物館では、このロシア版の方のサウンドトラックが流れていて驚いたが
誰でも、英国版より好むと思うし
いかに、英国国民に愛されているかが解る。
何度も鑑賞したくて
女王様には、おおそれながらも私、今年初のDVD購入は
このロシア版「シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険」
となった次第なのです。
ではまたね。
デイビスの瞳。
旅から帰って、今年始めに観た映画。
「何がジェーンに起こったか?」
新年早々何もこんなこんな、こんなに怖ーいおばあさん達観なくても・・
と思ったけれど、遂に最後まで観てしまいました。
監督がロバート・アルドリッチで、主演女優が大変な個性派。
あのベティ・デイビスとジョーン・クロフォードなのです。
特に、デイビス演じるジェーンが姉を監禁する恐怖な女。
お顔だって、当時50代だったらしいけど、それ以上の年齢に化けて登場。
実生活でもこのお二方、お互いに好きではなかったとか。
なにせ、姉を演じるクロフォードは養子に迎えた男の子を虐待していたとかで。
事実かどうかはさて置き、そんなクロフォードを毛嫌いしていたベティ・デイビス。 姉役のクロフォードを蹴り上げる場面に至っては迫力の有る事。
私情もはさんでか、力がこもって迫力この上無し。
新年、お正月ボケからバッチリ覚めさせてくれるこんな恐怖映画もまた良しかも。
こんなお顔で怒鳴られたら「ごめんなさーい」と叫んでしまいそう。
このベティ・デイビスと云う女優さん「イブの総て」の画面でも
ギョロ目が際立つかなりの存在感だった。
最後に出演した名画「8月の鯨」でも 自己主張甚だしい我がままおばあさんの役を演じてたし。
「ベティ・デイビスの瞳」と云う歌までキム・カーンズがヒットさせた位。
彼女は故人となった今でも、走り続けている。
少子化でお年寄りの多い近年、御老人が取り残される現状。
こんな悲劇も有りうる現実。
別の角度から観ると何かを説いている様に、画面は語りかける。
単なる恐怖映画としてではなく社会現状も考えさせられる映画でした。
しかし、単にモノクロで怖い映画が好みの方、是非ごらんになってはいかがでしょうか。
若き日は「アメリカ映画のファースト・レディ」とも呼ばれていたデイビス。
彼女の老いてもめげない役者根性には敬服致しました。
ではまたね。
年末独り言
しばらくブログお休みで、やっと書く気になった今日この頃
もうすぐ、新年を迎える訳なので、来年の抱負なんかを考えてみた。
ちょっとその前に、年末恒例の人間ドックが私を待ち受けている。
事前の問診票に書き込んで置きましょう。
(あちらこちらでツリーを競ってる。)
ドックが済めば、また来年、元気でいこうーなんて気を起こし
気持ちのコントロールも出来る訳です。
何と云うか、保険でなく「健康を保つ保健教室」の様な物なのです。
人生は楽しく元気で暮らすのがモットー、来年もこれをベースにと思い
今年の初めに理想の住みかを発見。
かなり高層のビルだから見晴らしはバッチリ、敷地内に何でも揃ってる。
インフラと云うか、交通や食料調達の利便性を考慮すれば
飽きが来ないうちは、このビルが最終の住居となると思う。
階下に行けばジムも完備。怠慢な私でも何とか、筋肉を鍛えられそう。
来年完成を待って、夏頃引越しとなる訳だ。
なので、今のうちから、じょじょに不用品の処分を決行。
出て来る出て来る、要らない物のオンパレード。
「物は大切に~」と言われた世代なので
捨てられない物が沢山。
出て来たのが懐かしい鳥かごだ。
それで、思い出したのがペットの事件簿。
今度もペットOKのマンションだから、子犬やキティーなんかを飼いたいなーと思ったが
ベランダの鳥かごが襲撃されて、黄色い羽だけ残ってた「猛獣肉食猫事件」。
(沖縄のホテルで人間慣れしたオウムを発見)
それに、長期旅行で丸ごと入れて置いた大型キャベツをぺろりのミニうさぎ。
ハンバーガーまで食べる偏食うさぎに変身の「巨大化ミニうさぎ事件」を思い出し
私が飼い主では、動物がかわいそう。飼う資格無し。と反省しかり
まあ、反省はこれぐらいにして、
来年は世界の何処にも大きな災害など来ない様
穏やかで平和な年である様に祈っているのです。
ではまたね。